皆さんの腕にも、ハンコ注射の跡が残っていたりしませんか? なぜ、いつまでもハンコの跡が残ってしまうのでしょうか?? そんなハンコ注射に関する悩みにお答えします。
はじめに
ようやく息子のハンコ注射が終わったわ。
でも、このハンコ注射、剣山みたいだし
もはや拷問器具だわ!!!
見てられないのよ・・・
ハンコ注射の痕っていつまでたっても消えないよね。
31歳になるけれど、まだ残っているもの。
今回は、そんな謎多き『ハンコ注射』について解説していきたいと思います。
BCGとは?
ハンコ注射とは、いわゆるBCGワクチンの接種を言います。
BCGは結核を予防するワクチンの通称であり、このワクチンを開発したフランスのパスツール研究所の研究者の名前を冠した菌:Bacille Calmette-Guerin(カルメットとゲランの菌)の頭文字をとったものです。
この菌は、本来牛に感染する牛型結核菌を時間をかけて弱めたものであり、1921年に初めて新生児に投与されました。
以後、1924年には日本にも菌がもたらされ、わが国においても長い歴史があります。また、1965年には日本の菌(Tokyo 172 strain)からつくられたBCGワクチンがWHOの国際参照品に指定されています。
2005年(平成17年)の法改正により、接種時期は生後6ヶ月未満(生後3ヶ月以降を推奨)の1回となり、ツベルクリン反応検査なしで接種することとなり、さらに2014年(平成26年)の法改正により、接種時期が生後1年未満(生後5ヶ月以降8ヶ月未満を推奨)に変更されました。
BCGワクチンの効果とは?
乳幼児期にBCGを接種することにより、結核の発症を52~74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度予防することができると報告されています(Colditz et al, 1995)。
一度BCGワクチンを接種すれば、その効果は10~15年程度続くと考えられています。
BCG以外の予防接種については、下の記事にまとめました。
ハンコ注射と呼ばれる由縁
接種の方法としては、1960年代から管針法(直径2センチくらいの円の中に針が9本あるスタンプ状の管針と呼ばれる接種器を上腕部に2回押し付けて行う方法)が採用されています。
接種器の形・接種の仕方から、俗に「はんこ注射」や「スタンプ注射」などと呼ばれています。
接種後は接種部位が赤く腫れた状態になり、徐々に痂疲化し、やがて瘢痕化します。
(経過や変化する刺入部の数や程度には個人差がある)。
この瘢痕は、時間の経過とともに退縮しますが、完全に消えることはなく、瘢痕が一生残ることになります・・・
二の腕に注射する理由
痕が残るなら、もう少し目立たないところに注射してくれればいいのに
(`ε´)
どうやら、ハンコ注射の場所は指定されているようだよ。
医師の裁量で位置を決められるものではないらしい。
そうなのです。BCGワクチンは、上腕外側のほぼ中央部に接種するものとされており、その他の場所への接種は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)上認められていません。
また、肩の部分に接種を行うと、ケロイドを生じやすいとも言われているみたいです。
ハンコ注射のその後
BCGワクチンを接種してから2週間くらい経つと、針の痕に一致して発赤や硬結が生じ、その後化膿してかさぶたを作ることがあるそうです。
確かに、うちの息子も注射跡が真っ赤っか・・・・
見ているだけでもかゆくなってきます。
このような反応は、BCGワクチン接種後には一般的にみられるもので、特に接種後5~6週頃に最も強く現れるそうです。
どうして痕が残るの
どうして大人になっても痕が残るのか・・・・
接種後は接種部位が赤く腫れた状態になり、徐々に痂疲化し、やがて瘢痕化します。
この瘢痕が消えることはなく、残ることにより、痕となると考えられます。
【以下は、個人的な見解です】
私は、痕が残っている方なのですが、ハンコ注射を打った後って凄く痒くなるわけです。
予防接種後は、発赤と化膿が生じることになります。
私が小さい頃は小学校でも接種が行われており、注射箇所が凄く痒かった覚えがあります。
注射箇所に発赤(かゆみ)が生じる→かきむしる→化膿する→痒くなる→かきむしる→化膿する、を繰り返していた記憶があります。
このように、上記動作を繰り返すと結果的に痕が残りやすくなってしまうのではないかと考えています。私の場合、結構強く痕が残っていますので。
さいごに
いかがでしたでしょうか。今回はBCG特集でした。
予防接種関連の記事は他にもございますので、ご一読していただければ幸いです。
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