赤ちゃん用の洗濯洗剤、いろいろあって迷いますよね。
でも、大きくわけると「洗濯石けん」と「合成洗剤」の二種類しかないんです。
本記事では、
- 洗濯石けんと合成洗剤の違い
- 赤ちゃん用洗濯石けんと合成洗剤の洗浄力を比較した結果
をお伝えします!
赤ちゃん用の洗濯洗剤で迷っている方は、この記事を最後まで読めば、どっちを選べばいいかばっちり決まりますよ♪
目次
石けんと合成洗剤って、何が違うの?
石けんとは
「石けん」を広辞苑で調べてみると、以下のように書かれています。
要するに、動物や植物から得た油脂を水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)というアルカリで煮て作られる洗剤のことを、石けんと呼ぶのです。
水酸化ナトリウムを使って作られた石けんは固体になりますが、
水酸化ナトリウムのかわりに水酸化カリウム(苛性カリ)を使って作ると液体石けんになります。
ちなみに、油脂とアルカリを反応させて石鹸を作る反応を「ケン化」といいます。
合成洗剤とは
「合成洗剤」を広辞苑で調べてみると、以下のように書かれています。
ごうせいーせんざい【合成洗剤】
油脂石鹸以外の化学的合成した洗剤。
界面活性剤またはこれに洗浄補助材、その他添加剤を配合したもの。
つまり、油脂をケン化してできる石鹸に対して、
それ以外の方法で化学的に合成して作った洗剤はすべて合成洗剤ということになります。
なお、たとえ原料が石鹸とおなじ動植物油脂であっても、それを元に化学的に合成されたものであれば、合成洗剤に分類されます。
一口に合成洗剤といっても、
洗浄力がものすごく強いものからお肌や環境にやさしいマイルドなものまでいろいろな種類があります。
合成だからと敬遠するのではなく、成分や効果をしっかりと確認して選ぶことが重要ですね。
洗濯石けんのメリット・デメリット
洗濯石けんのメリット:すすぎ残しが少ない
洗濯石けんのデメリット:弱点が多い
・薄まると洗浄力が落ちる
・酸性汚れに弱い
・水の硬度が高いと洗浄力が落ちる
洗濯石けんのメリット:すすぎ後に残りにくい
赤ちゃんの衣類の洗濯に石けんを使う最大のメリットは、
すすぎ後の衣類に石けん成分が残りにくいことでしょう。
正確には、
「残りにくい」のではなく「残っても肌に刺激を与えない」と言うべきですね。
なぜなら、石けんの洗浄成分はアルカリ性の環境下でしか働かないからです。
人間の皮膚は弱酸性なので、衣類に石けん成分が残っていたとしても洗浄成分が働かず、皮膚に刺激を与えにくいのです。
また、石けんの洗浄成分はある程度薄まっても働きを止めるので、多少すすぎが甘い衣類を着たとしても、皮膚に与える刺激はほとんどありません。
これが、合成洗剤だとそうもいきません。
合成洗剤の多くは、アルカリ性の環境以外でもしっかり働くように作られているので、
衣類に残った量が石けんと同じだったとしても、皮膚に与える刺激は石けんより強くなることが多いのです。
洗濯石けんのデメリット:弱点が多い
洗濯石けんはすすぎ残しが少ない反面、弱点もたくさんあります。
石けんの弱点は、主に下の3つです。
- 薄まると洗浄力が落ちる
- 酸性汚れは落ちにくい
- 水の硬度が高いと洗浄力が落ちる
薄まると洗浄力が落ちる
石けんの洗浄成分は、濃度が十分なときは汚れをしっかり捕まえておけますが、
ある程度薄まると汚れを手放してしまう性質があります。
そのため、洗濯物に着いた汚れがあまりに多いと、洗浄成分が汚れを捕まえるのに使われてしまって水中の石けん濃度が薄まり、せっかく捕まえた汚れが再び衣類についてしまうことがあります。
石けんの洗浄力が弱いと言われる原因のひとつですね。
酸性汚れに弱い
石けんの洗浄成分は、酸性の物質と反応すると洗浄力を失ってしまいます。
よって、果汁や酢系の調味料に対しては、洗浄力はあまり期待できません。
また、皮脂汚れも弱酸性なので、石けんの洗浄力は合成洗剤に劣ってしまいます。
「石けんで洗うと黄ばみが取れない」などと言われがちなのは、皮脂汚れをしっかり落とせないからなのです。
水の硬度が高いと洗浄力が落ちる
石けんの洗浄成分は、水に溶けているミネラル分(カルシウムイオンやマグネシウムイオン)と反応すると、洗浄力のない「石けんカス」に変わってしまいます。
よって、ミネラル分の多い水を使って石けんで洗濯する場合、洗浄成分の多くがミネラル分と反応して洗浄力を失ってしまうのです。
日本の水道水は軟水ですが、軟水のなかでも地域によって硬度が異なります。
水道水の硬度が高い地域では、洗濯石けんを使うと汚れが落ちきらない・・・なんてことがあるかもしれません。
合成洗剤のメリット・デメリット
合成洗剤のメリット:
水質によらずしっかり働く
合成洗剤のデメリット:
すすぎ後にも残りやすい
合成洗剤のメリット:水質によらずしっかり働く
合成洗剤は、水質によらずしっかり働いてくれます。
薄まったりミネラル分が多かったりすると一気に働きが鈍る石けんとは違い、
薄くてもミネラル分が多くても洗浄力が落ちにくくなっています。
また、合成洗剤は酸性汚れと反応しても洗浄力を失わないので、皮脂汚れもしっかり落として衣類のニオイや黄ばみを防いでくれます。
合成洗剤のデメリット:すすぎ後も残りやすい
薄まっても酸性になっても働き続けるということは、すすぎ残しの洗剤も洗浄力を保ったままだということになります。
ですので、すすぎ残しの微量の洗剤が肌に刺激を与えてしまうことがあります。
もちろん、合成洗剤でも赤ちゃん用のものには刺激の少ない成分が使われているわよ。
赤ちゃん用の洗濯石けん&洗剤の洗浄力をテスト!
ここまで洗濯石けんと合成洗剤の違いを説明してきましたが、
皆様気になるのは実際に洗浄力に差があるのか? ですよね。
というわけで、代表的な赤ちゃん用洗濯石けん&合成洗剤を使って、洗浄力をテストしてみました!
洗浄力テスト 方法
今回使った洗剤は、こちら!
赤ちゃん用洗濯石けん代表
サラヤ アラウベビー洗濯用せっけん
赤ちゃん用合成洗剤代表
ピジョン ピュア
(比較対象) ベビー用でない合成洗剤代表
ライオン スーパーナノックス
上記3つの洗剤で、さまざまな汚れがついたガーゼを洗濯してみました。
洗濯方法は、下のとおりです。
洗剤の濃度は、通常の縦型洗濯機で洗濯するときの濃度にあわせました。
なお、全部落ちてしまったら比較にならないので、通常のお洗濯より汚れが落ちにくい条件で実験しています。
さてさて結果はいかに・・・?
洗浄力テスト 結果
汚れたガーゼをそれぞれの洗剤で洗った結果は、下の写真のとおりです。
アラウベビー | ピジョンピュア | ナノックス | |
カレー | ○ | ○ | ○ |
口紅 | × | × | △ |
蛍光ペン | △ | △ | △ |
ケチャップ | ◎ | ◎ | ◎ |
水性ペン | × | × | × |
小松菜 | △ | ○ | ○ |
かぼちゃ | ◎ | ◎ | ◎ |
しょうゆ | ◎ | ◎ | ◎ |
- アラウベビー(赤ちゃん用洗濯石けん)とピジョンピュア(赤ちゃん用合成洗剤)は、同じくらい汚れが落ちた。
- ナノックス(一般的な合成洗剤)は、他の2つに比べて、若干よく汚れが落ちた。
この結果をみると、赤ちゃん用のものであれば、洗濯石けんでも合成洗剤でも、洗浄力はあまりかわらないようですね。
赤ちゃん用洗濯石けんと合成洗剤を使ってみた感想
上のテストでは、アラウベビーとピジョンピュアの洗浄力はほとんど変わらない、という結果になりました。
しかし、どちらも使ったことがある私の正直な感想は、
アラウベビーを使い続けると、洗っても汗や食べ物のニオイ、黄ばみなんかが落ちなくなってくるのよね。
洗剤自体の香りも強めで、あまり好みじゃないし。
洗濯機に石けんカスもついちゃうし、石けんはあまり好きじゃないな・・・
と感じています。
私としては、赤ちゃんが肌荒れしないのであれば合成洗剤のほうがオススメです。
もちろん、石けんと合成洗剤それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解したうえで、どちらを使うかは赤ちゃんのお肌に合わせて決めてくださいね。
実験に使った商品のご紹介
最後に、今回の洗浄力テストに使った商品を詳しく紹介します。
サラヤ アラウベビー 洗濯用せっけん
「arau.ベビー(アラウベビー) 洗濯用せっけん 本体 800ml」は、植物原料の無添加せっけん+天然ハーブの力ですっきり落とすベビー用洗剤です。
ラベンダー&スペアミントの天然ハーブオイル配合で、ほのかにハーブが香り、アロエの天然エキス配合で、手洗いにもおすすめです。
赤ちゃんの衣類やタオル、おむつなどのお洗濯にお役立てください。
合成界面活性剤、蛍光剤、漂白剤、着色料、香料、保存料など無添加。
息子は汗っかきだからニオイが少し気になったけど、
あまり汗をかかない赤ちゃんなら問題なく使えると思うわ。
汗をかきにくい&肌が敏感になる冬の間だけ石けんタイプを使うのもアリかも。
ピジョン 赤ちゃんの洗たく用洗剤 ピュア
0ヵ月の赤ちゃんから使える洗たく用洗剤「ピュア」です。
洗剤残りの心配なし。衣類の水通しから使えます。
植物性洗浄成分で、うんちやミルクの汚れをすっきり落とします。
ピジョン株式会社基準の安全性テスト(衣類への洗剤残り試験、皮フ刺激性テスト、アレルギーテスト)実施。※すべての方に肌トラブルが起きないというわけではありません。
無添加 (無着色・無香料・無漂白剤・無リン・無蛍光剤)。
我が家はずっと、この「ピジョン ピュア」を愛用してるわ。
洗浄力と肌に対する優しさのバランスがいい感じ♪
(おまけ) ライオン トップ スーパーナノックス
センイ1本1本から徹底クレンジングする超コンパクト洗剤。
今回新たに新洗浄成分を配合し、日々の汚れはもちろん、自力では落とし難かった「最高難度の汚れ(*)」にも新しい洗い方“塗布放置洗浄”で効果を発揮します。
だから、汚れのせいで衣類を格下げすることなく、キレイな状態にしておくことができます。
(*ライオン調べ。生活者が家庭洗剤で特に落としづらいと感じられる汚れ。例えば時間のたった黄ばみ・たべこぼし、黒ずんだエリソデ汚れ、うっかりついた油性ペンなどの手強い汚れ。)
ナノックスは、大人の衣類にずっと使ってるけど、今のところ不満はないわね。
やっぱり赤ちゃん用洗剤とは違って、しっかり汚れを落としてくれるのよね。
赤ちゃんの衣類を洗うには、洗濯用石けんと合成洗剤のどっちがいいの? まとめ
- 洗濯石けんと合成洗剤の違い
石けん:
動植物油脂をアルカリと煮て作られた洗剤
合成洗剤:
石けん以外の、化学合成で作られた洗剤 - 洗濯石けんの特徴
メリット:
すすぎ残しが少ない
デメリット:
薄まると洗浄力が落ちる
酸性汚れに弱い
水の硬度が高いと洗浄力が落ちる - 合成洗剤の特徴
メリット:
水質によらずしっかり働く
デメリット:
すすぎ後も残りやすい - アラウベビー(洗濯石けん)とピジョン ピュア(合成洗剤)の洗浄力は、ほぼ同等。
ただし、アラウベビーは使い続けると洗濯物にニオイ・黄ばみが残った。
せっけん【石鹸】
動植物油脂に水酸化ナトリウムを加え、煮沸・撹拌し、食塩を加えて塩析して製する洗剤。
普通の石鹸の成分はパルミチン酸・ステアリン酸などの高級脂肪酸のナトリウム塩。
広義には脂肪酸・樹脂酸などの金属塩を総称。