アレルギーが発症したらもう治らないかもしれない・・・。だったら、そもそもアレルギー体質になるのを防ぎたい!! でも、どうすればいいの?

アレルギーになってしまうと、治療できるとは限らないのね・・・。
(前回の記事参照)
だったら、そもそもアレルギー体質になるのを防げないのかしら?
今回は、「アレルギーに体質になるのを防ぐ方法」について調べました。
目次
アレルギー発症のメカニズム
二度目の侵入でアレルギーが発症
アレルギー発症のメカニズムは、今でもよくわかっていない点が多くあります。
しかし、人の免疫という機能の特性からすると、
アレルギーは、アレルゲンを二度目に体内に入れたときに発症する
と言えます。
アレルゲンを初めて体内に入れたとき、それが異物であると認識されると、免疫機能のはたらきで抗体が作られます。そして、もう一度同じアレルゲンが体内に入ると、その抗体がアレルゲンを攻撃し、いわゆるアレルギー症状が発症するのです。
よく聞く例としては、「以前蜂に刺されたことがある人は、もう一度刺されるとアナフィラキシーショックが出る」というのがありますよね。
初めての食べ物でアレルギーが出るのはなぜ?
一般的に、赤ちゃんのアレルギーは、その食べ物を初めて与えたときに判明しますよね。
アレルギー反応が出るということは、初めて食べた時点で既に 何らかの形でアレルゲンが体内に入ってすでに抗体が作られていたということになります。
初めて口にするアレルゲンが、それ以前に体内に入ったことがある。
ということは、口以外の経路で侵入したのは明らかです。
最近の研究では、皮膚から侵入しているらしいということが分かってきています。
アトピー性皮膚炎との関係
近年、アレルギーとアトピー性皮膚炎との関連が明らかになりつつあります。
以前は、アレルギーを持っている人はアトピー性皮膚炎になりやすいと考えられていました。
しかし現在は、アトピー性皮膚炎が食物アレルギーの原因になるという説が有力になっています。
ヒトの皮膚にはバリア機能が備わっているため、通常であればアレルゲンが侵入することはありません。
では、どんな場合にアレルゲンは皮膚から侵入できるのか?
それは、皮膚が荒れてバリア機能が低下しているときです。
アレルゲンを口から摂取するより前に、荒れた皮膚から体内に侵入してしまうと、抗体が作られる可能性があります。
抗体が作られてしまうと、初めてそれを食べたときにアレルギー症状が出るのです。
(これを「経皮感作」といいます。)
赤ちゃんはただでさえ皮膚が薄いので、アトピー性皮膚炎を発症すると皮膚のバリア機能が著しく低下します。
そこからアレルゲンが侵入することで、抗体が作られ、アレルギー体質になってしまうのです。
疑問:なぜ「初めて食べたとき」には抗体が作られないの?
ここで、アレルゲンが初めて体内に侵入したときに抗体が作られるなら、初めて食べたときに抗体が作られるのではないか? という疑問が生じます。
しかし、実際にはそんなことは起きません。
なぜかというと、口からアレルゲンが入ると、アレルギーは抑制される方向に働くからです。(これを「経口免疫寛容」といいます。)
通常、ヒトの体はアレルゲンのような異物が入ってくると免疫反応が起き、抗体が作られます。
しかし、食べ物にまで反応して抗体を作っていては、必要な栄養まで摂取できなくなってしまいます。
そのため、口から入ったものに対しては免疫反応が起きないようになっているのです。
アレルギー体質になるのを防ぐためにできること
アレルギー体質になるのを防ぐには、アレルゲンに対する抗体を作らせないようにしなけえばなりません。
そのためには、「食べ物とのファーストコンタクトは口から」が鉄則となります。
アレルゲンを口から摂取するより前に皮膚から侵入するのを防ぐためには、どうすればよいでしょうか。
何はともあれスキンケア
アレルゲンが皮膚から入る前に口から摂取すればよいとは言え、離乳食開始時期前の赤ちゃんに食べさせるわけにはいきません。
消化器官が未熟な赤ちゃんには負担をかけてしまうからです。
(なお、食物ごとの適切な摂取開始時期は、 厚生労働省 「授乳・離乳の支援ガイド」 に定められています。)
したがって、そのアレルゲン食物を食べられるようになるまでは、皮膚から侵入させないようにするしかありません。
そこで重要なのが、
- 生後1~2ヵ月頃から肌の保湿(スキンケア)をする
- アトピー性皮膚炎になったら、早期に適切な薬を塗って治療する
の二点です。
離乳食開始まで、肌を健康に保つことが大切なのです。
アレルゲンを近づけない
どんなに気を付けていても、赤ちゃんの皮膚が荒れてしまうことはあります。
そこで次に重要なのは、赤ちゃんにアレルゲンを近づけないことです。
皮膚が荒れていたとしても、アレルゲンが触れなければ、抗体は作られません。
- 赤ちゃんに触れる前に手を洗う
- 赤ちゃんがいる場所を清潔にする
- 調理時の台所など、アレルゲンが飛散しそうな場所には近づけない
など、アレルゲンが赤ちゃんに近づかないように心がけましょう。

私は、離乳食を始めるまで、息子に触る前は必ず手を洗っていました。
おかげで手がガサガサになってしまい、ハンドクリームの減りが早かったです。
離乳食をむやみに遅らせない
ひと昔前までは、「アレルギーの原因になりやすい食物は、アレルギーを発症させないように、食べさせるタイミングを遅らせた方がよい」とする説もありました。
しかし、経皮感作と経口免疫寛容の関係(口から摂取する前に皮膚から侵入させてはならない)を考えると、離乳食を遅らせるのはかえって逆効果であることがわかります。
適切な摂取可能時期になったら、アレルギーの原因になりやすい食物でも、少しずつ食べさせるのが良いですね。
ただし、初めて食べさせるときは
- 病院が開いている時間に
- 少量から
が鉄則です。
おわりに
アレルギーは、まだまだ未解明な部分がたくさんあります。
本記事の内容も、「現時点で最も確からしい説」ではありますが、100%の確証があるわけではないそうです。
とはいえ、それで子供のアレルギーを防げる可能性が高くなるなら、気を付けるに越したことはないと思います。
アレルゲンが初めて体内に入った経路が
① 皮膚からだった場合:抗体が作られて、アレルギー体質になる可能性あり
② 口からだった場合 :抗体は作られず、アレルギー体質になる可能性は低い